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. 余りの痛さに一人、被り直した布団の中で頭を抱えていると かちゃり 部屋の扉が開く音がして、布団越しに篭った声が僕を呼んだ。 「幸也、起きろ。 幸也」 「ん゛ー…………、恭介。 耳元でそんな大きな声出さないでよぉ…」 どれだけ近くで喋ってるんだろ。 恭介の大きな声が頭に響いて更に頭痛が酷くなって、布団の中で堪える様に体を丸める。 痛い…。 「こうやー、起きてんなら頭くらい出せやコラ」 「無理…、」 「学校行くから早めに起こせって言ってたのお前だろ、良いのか?」 「駄目…、」 「どっちなんだよ」 大きな声を出さないでくれと言ったのに、尚も耳元で大声で喋り続ける恭介に、仕方無しに布団から顔を覗かせると 「…あれ?」 恭介は枕元に立った侭、僕を見下ろしていた。 全然近くない…。 「大丈夫か?お前」 「二日酔い…かも。 …頭痛い」 .
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