バハムート

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バハムート

年老いた一匹の魚が深海奥深くで考えごとをしていた 「ワシ、いつまでこうしているんかのぅ」 老いた魚は正直退屈していた 「ワシも自由になりたいのぅ…」 神から大地の礎として海を守るように言われて以来、一度も陸に上がった事がない 他の魚達は進化し陸上の生物になったものもいる、それも彼が海を守っているお蔭なのだが 長い年月は老いた魚に欲を与えたようだった 「もう長い事この海を守って来た、少しくらい陸に上がってもバチは当たるまい、それに海も守る必要もないくらい立派に成長した」 これは彼の言う通りである 最初は荒い言う事の聞かなかった海が今では穏やかで静かなものになっている これも彼の功績だった 彼は陸に上がる決心をした だがここで一つ問題があった 魚のままでは陸では生きていけない、そこでその場で大進化をする事にした 「ワシが本気を出せば1日で進化くらい余裕じゃ。しかし何に進化するかのぅ、ミノタウロス…あやつは狂暴すぎるから嫌われそうじゃな、ゴーレム…あれって生き物じゃったっけ?」 なんとも自由な進化だ 直接神に創造されただけはある 彼は後にドラゴンと呼ばれる事となる
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