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「惜しい、26だよ。もう、ずいぶんおばさんだね。」
「そ、そんなことないです!もう、全然キレイで可愛いです!」
「えへへ、ありがとっ。」
そんな会話があって、二人でスパゲッティとピザを頼んだ。お互い、グチを言い合って学校の話とかして結構楽しかった。
「いやぁ、食べましたねぇ。」
「もう、お腹いっぱいだよ。拓也君は本当にあれだけでよかったの?」
「いえいえ、もう十分ですよ!それより、本当にお金払わなくて良かったんですか?」
「いいのいいの。お姉さんは働いてるからね。あ、もう外は暗い。」
店を出ると、もう外は夕暮れ時も終わりそうで、暗くなり始めていた。
「そうですねぇ、もう7時ですし。」
「そっかぁ、そんな時間か。もう帰らなきゃね。」
「そうっすね。暗くならないうちに。」
「あの、さ。また会ってくれる?」
「俺で良ければ、全然大丈夫です!」
「じゃあ、はい。私の電話番号とアドレス。」
「あ、じゃあ電話するんで登録しといてください。」
メモを見ながら慎重にボタンを押す。さすがにこのタイミングで間違い電話をしてしまうのは恥ずかしい・・・。まぁ、たかが数字11個、どうら間違えずに打てたらしい。しばらくすると美幸さんの携帯が鳴り始めた。
「あ、来た来た。じゃあ登録しとくね。メール、待ってるよっ。」
「分かりました。今日はごちそうさまでした。」
「うん、気を付けて帰ってね。」
街から家までは電車で20分の距離だ。運が良い事にタイミング良く到着した電車に乗り、家へと帰る。
駅から家までの道のりは少し寒くて、もう完全に夜の暗さだった。
「ただいま。」
「おかえり、今日はいつもより遅いのね。」
「街まで買い物行ってたから。」
「ご飯は?」
「食べたから大丈夫。」
さっさと部屋に入り、荷物を机へと放り投げるとそのままベッドに横たわる。どうにも、横になると眠くなってしまうのだが、
(メール、しなきゃ。)
静かな部屋の中にカチカチと携帯の音だけが響く。
『今日はごちそうさまでした。美雪さんのおかげで楽しかったです。また、美雪さんさえよければまた会いましょう。』
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