極上の贄

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   学生という身分であるから勉強をする。その程度の認識でしかなく、更に言えば、強要されるからするという受動的でしかない。  そして何より、美癒には将来の展望がなかった。  漠然と、幸せだったらいいなぁ、とは思うが確固たる何かを美癒は思い浮かべられないのである。  ただ、一日を楽しく過ごせるだけで十分に幸せだった。  平穏な毎日。学校、面倒ーとか友達と笑いあって、一日を過ごして。今日、どんなことがあったか、と家族に話して。  そんな在り来たりな日々が窮屈に感じて、激変する何かを求めたり。そんなどこにでもいる普通な少女であった。  
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