極上の贄

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   ……夢、だよね?  不安を掻き立てられて、胸元の前で両手を組む。  逸る鼓動を押さえようと身を小さくして振り返ったのだが、気付きたくないことに気がついてしまう。       ....  んじゃ、どこからが夢だったのだろうか?  ベッドへと身を預けた感触は、いつもと変わらない心地よい空気を纏っていて、すぐに眠りに落ちたのを覚えている。  もしそれさえも夢の中だったというのなら、勉強の最中に眠りに落ちてしまったことになるのだが、ペンを握りしめていた感触。肩が張った感じは今でも残っているのに――。  
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