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――愕然とした。
足下から這い上がる震えに、崩れ落ちそうになる。
今、この場に立っている自分は、本当に存在している自分なのだろうか……?
夢だと思いたいのに、そう思えられなくなったことに恐怖を覚えた、そのとき――カサリ、と音がした。
「――――っ!」
葉ズレの音とは違う。その音に美癒は振り返り、目を見開いた。
...
黒い塊だった。いや、影といったほうがいいかもしれない。
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