極上の贄

11/32
前へ
/95ページ
次へ
   ――愕然とした。  足下から這い上がる震えに、崩れ落ちそうになる。  今、この場に立っている自分は、本当に存在している自分なのだろうか……?  夢だと思いたいのに、そう思えられなくなったことに恐怖を覚えた、そのとき――カサリ、と音がした。 「――――っ!」  葉ズレの音とは違う。その音に美癒は振り返り、目を見開いた。   ...  黒い塊だった。いや、影といったほうがいいかもしれない。  
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

686人が本棚に入れています
本棚に追加