極上の贄

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   どうしてなのかは美癒自身、わからない。  だけど、美癒は駆けだした足を止めるつもりはない。  ――何、あれ! 何あれ何あれっ!!  人の形をしていた。だけど、のっぺりとした顔。細長いシルエットの身体。  無機質で異常な存在が、美癒の恐怖心を煽った。  無我夢中で走るの身体を生い茂った葉が傷つける。たが、美癒は気づかない。それどころじゃなかった。  暗闇に慣れたとはいえ、闇夜の森。  ただ、逃げることだけを考えて美癒は走り続けた。  
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