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朝の登校。
この時間は、俺が最も嫌いな時間だ。
なんせ眠いなか、学校へ登校しなければいけないからだ。
昇降口を過ぎ、階段を登り、2年A組を過ぎようとした時だ。
「ヒーロー! おっはよー!!」
その声が聞こえた瞬間、いきなり俺の背中に衝撃が訪れた。
俺は背中に抱きついてきた奴に、笑顔で振り向きながらそいつを見た。
「たっつー。今、なんて言った~?」
たっつーと呼ばれた人物は、少し頬を膨らませていた。
「ヒーローだって今、俺のことたっつーって呼んだー!!」
「あのな、お前が俺をヒーローって呼ぶからだろ!!」
今俺と言い争いをしているのは、たっつーこと竜馬だ。
こいつは中学からの俺の親友であり、悪友だ。
初めて竜馬にあった時、こいつは俺の名前を“ひせき”ではなく“ひいろ”と聞き間違えてこうなってしまったんだ。
まぁ~、竜馬とのスキンシップはいつもこうなんだけどな。
「一条さん、こんばんは~」
次に近づい来たのは、高校から知り合った聖菜だ。
俺の名字は昴なんだけど、聖菜が言うには、ある漫画のキャラクターに俺が似ているからそう呼んでいるらしい。
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