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「あ~、おはよー。豊田君、聖君」
俺と竜馬が言い争っている中、零人と聖菜に近づいてきた女子が挨拶していた。「おっス、カノ~」
「こんばんは、カノちゃん」
そう言って二人はカノこと架音と挨拶を交わしていた。
架音も、聖菜と零人と同じく高校からの知り合いだ。
そして、架音は、何故か竜馬のことを“師匠”と読んでいるらしい。
「ところで、師匠とひーさん何やってんの?」
それを聞いて零人は「あぁ……」とため息をつき、説明(?)を始めた。
「たっつーとひーちゃんのアレは、毎朝好例のスキンシップだよ」
「えっ!? あれ、毎朝やってたの?」
零人は「うん」と言って、何故か笑顔になっていた。しかも黒……。
「そろそろ止めないとさぁ~、通行人の邪魔になるからねぇ~♪」
そう言って零人は、架音を俺たちのところへ投げつけてきた。
見事に俺と竜馬に当たって、俺が竜馬の下になるようにして倒れてしまった。
「と、豊田君、いきなり投げるなんてヒドイよ!!」
架音は、投げられたことの不満を嘆いていた。
「ん~……、だってそろそろ止めた方がいいかなぁ~と思ってさ~」
「だからって、私を投げないでよ~。しかも、師匠とひーさ……」
架音は俺の名前を言おうとして、ようやく今おかれている現状に気づいたらしい。
「おい、架音……。お前、いい度胸だなぁ~……」
俺の苛立ちは、完全に最高潮まで上り詰めていた。
「ひー……、ひーさん……。こ、これは事故なんです!!」
おどおどと架音は立ち上がった。
「おい、竜馬……。ちょっと、退け……」
「ん? ん~……。OK♪」
そう言って、竜馬は俺の上からどき上がろうとしていた。
「いや、師匠……。そこは、退かなくていいです!!」
架音はそう言いながら、竜馬が起き上がるのを邪魔した。
「いや、どいてあげなきゃダメでしょ? それに、早くしないとヒーロー完全にキレるし。俺にとばっちりくるの嫌だし。しかもリアルに通行人の邪魔になるし……」
「いや、それでも退かないで下さい!! てか師匠、さらりと本音言ってるし!!」
必死に嘆く架音。
「あっ! おっはよー」
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