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けれど、新しいカウンセラーにこれまでの経緯を説明するには、兄の話は省略できません。
私がくたくたになりながら話し終え、兄がしたことが原因のひとつになって、今も私が苦しんでいる状況を彼に知って欲しいと言った時に、彼女は言いました。
「では、知ってもらった後でどうして欲しいですか?」
私は答えることができませんでした。
自分が何を求めているのか、本当にわからなかったのです。
とにかく、私の辛さを知って欲しい。
兄は何も知らずにのうのうと暮らしていて、子どももいて、それなのになぜ私だけが苦しみ続けなきゃだろう……って思い続けるのが嫌だから。
その時はそこまでしか、考えられなかったんです。
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