八人に一人、起こること。

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 その日は金曜日だったので月曜日に子宮口を広げる処置をして、火曜日に日帰りで入院して手術することになりました。  診察室から出ると、待合室のすぐそばに保育器が。  そこには、生まれて間もない赤ちゃんが入っていました。  小さくて、でもちゃんと生きている。  ……かわいい。  どうしようもなく悲しくて、心も体もばらばらになってしまいそうだったけれど。  私はその赤ちゃんを見て、確かにかわいいと思えました。  それだけでほんの少し、救われたような気持ちになりました。  しかし、仕事に向かった夫と別れ、部屋に一人いるとやっぱり辛くて。
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