悩みと、前進と。

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 彼自身、かつて不幸な子どもでした。  若くして結婚した彼の両親は、夫が高校に進学した頃に離婚しました。  多感な時期に彼は調停に通い、その後母親と二人暮らしが始まりました。  働く母親は彼より先に家を出ます。  彼が望まなかったこともあり朝食は作られず、昼食も月々のお小遣いから賄う状況でした。  やがて大学に進学したあとも、彼はバイト代から自分の食費その他をやりくりしていました。  母親が恋人の家に半同棲していた時期は長期的に家を空けていたため、お金が足りずしんどい思いをしたそうです。  また、親子が暮らす2DKの都営住宅に母親の恋人が居候していたこともあったとか。  それは、私には想像もつかない暮らしでした。
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