悩みと、前進と。

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 だから、たいていのことは母の望む通りにしてきました。  高校も、行きたかった私立の共学を諦めて公立の女子高に進みました。経済的に苦しいから、公立に行ってほしいと言われたためです。  私が自分の思いを通そうとしたのは、大学進学の時くらいでした。  センター試験を失敗し、土壇場で志望校を変えた私は、それでも地方の国立に合格しました。  しかし、「いい大学に入っていい会社に入る」ためにはやはり東京にいた方が有利なのではないかと思い、既に合格していた都内の私大に進みたいと主張したのです。  結果的に母は折れましたが、この一件は彼女が「私は娘を好きにやらせてきた」と思い込む原因となってしまいました。
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