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機嫌を損ねたら、もっとひどいことをされてしまう。
だから、「いい子」にしていなきゃいけないんだ。
そんな風に。
私もまた、その呪縛に絡めとられた一人だったのだと思います。
兄の不登校によって綻びの出た家族のバランスをこれ以上崩さないために、張本人である兄に好きにされることしかできなかったのでした。
これら三つの要素が複雑に絡み合い、私の中の家族や家庭といったものは少しずつ歪んでいきました。
そしてある日、私は唐突に思い出してしまいました。
兄が私にした仕打ちを。
その行為がどういう意味を持つのか、大学生になっていた私は既にわかっていました。
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