悩みと、前進と。

11/13
前へ
/874ページ
次へ
 そして、だからこそ、苦しかった。  何も知らなかったとは言え、兄に思い通りにさせてしまった自分がひどく汚らしいもののように思えました。  その頃から、私は人間関係、特に恋人との関係がうまくいかなくなってゆきました。  知らず知らずのうちに相手に依存しすぎてしまい、重くなる。  そのうちに別れを切り出されるか、新たな依存対象をみつける。  あの頃の私はいつだって、まるごと自分を受け入れてくれることを望んでいました。  そのくせ「自分は汚い」という思いから離れられず、そんな自分を見捨てられないよう、しがみついたり試したり。  いまだから言えるけれど、相当たちの悪い状態だったと思います。
/874ページ

最初のコメントを投稿しよう!

647人が本棚に入れています
本棚に追加