悩みと、前進と。

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 でも、いくつもの失敗を繰り返し、傷つけ、傷つけられながらも将来をともにしたいと思える相手と出会うことができました。  泣きながら苦しかった記憶を打ち明けた私でも、夫は生涯の伴侶として認めてくれたのです。  そして、実の母親にさえ思ったことをうまく言えなかった私に代わり、少しずつ私たち母子の橋渡しをしてくれるようになりました。  道のりは決して平坦ではなく、幾度となく苦しみ、悩んできました。  それでも、一人では決してたどりつけなかったところまで、夫は一緒に歩いてくれたのです。  だからこそ、私は彼の血を引いた子どもを望んでいました。  お互い辛い思いをしたぶん、幸せな家庭を作りたかった。  家族っていいものなんだ、って実感したかった。
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