二つの派閥

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【施設派】    能力者たる「表人間」を『進化した存在』と考え人間の優良種、或いは“本来在るべき人間の姿”として「裏人間」を拐かし生体実験により無理矢理『能力開花』させる狂信的な研究集団。    開設した人間は定かではないが戦時中に「表人間」を戦闘兵器として利用出来ないかと考えた一部政府の人間が設立したのだとされている。昭和初期に出現したのは間違いないと思われる。日本各地に施設は存在するものの公には病院や製薬会社を装っていて、施設派に与する政府の人間から資金提供を受けている。    高い技術力を用いて、未だ原理が解明されていない能力の解析を行うと共に世の中すべての人間を優良種とするため、ありとあらゆる手段を用いて「裏人間」を拐ってきては非人道的な実験を行っている。    より優れた人間を、より強い人間を造ることに執心しているが失敗するケースが多く、死亡する人間が多数。生き残ったとしても肉体か精神に致命的問題が残り、これらを『失敗作』と呼び、使い捨ての兵器として施設を守らせたりしている。    実験体の中には逃げ出す者も居り、これを連れ戻す或いは隠密裏に始末することにも『失敗作』を使用する。逃亡者が「織宮派」に保護される前に、より確実に始末するため『成功作』を提供する代わりに陸上自衛隊の力を借りることもしばしば。    『成功作』を造り出すために、多数の生命が犠牲にされている。施設を仕切るトップたちは政府の右翼派の力を利用し資金提供は勿論のこと、実験に失敗し死亡した『ゴミ』の処理もしているらしい。なお、「施設」は当初通称であったが今は正式名称として定着している。    また、 『成功作』は[Exception]、 『失敗作』は[Doll]  と、呼ばれている。
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