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君は言う
『どうして空は蒼いの』と
僕は言う。
『それは君が流した涙の色だから』と
君は言う
『どうして空は朱いの』と
僕は言う。
『それは君から流れた血の色だから』と
君は言う
『どうして空は暗いの』と
僕は言う。
『それは君がもうすぐ瞳を閉じるから』と
君と僕
空はいつもとおんなじなのに
今の僕たちには違って見える。
妖しく光る、僕の手の中のナイフだけが。
その答を知っている気がした。
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