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「ちょっ!?いきなりどうしたの」
俺は慌てて少女の涙を拭いてやる。
すると少しは少女も落ち着いたのか、涙をこらえながら話し始めた。
「すいません。でも私では駄目なんです」
「どうしてさ?神様なんだろ?世界に介入するなんて簡単だろうに」
「それは・・・」
少女が言うにはあくまで神という存在は世界を動かしているシステムの製作者であり、管理者。
システムは完全に自立して動いているため、システムが壊れたらシステムを直すことは出来ても、システムの流れにある生きたものに直接何かするということは出来ないらしい。
「もう耐えられないんです!みんなが助けを求めているのに見ているだけで何も出来ないなんて!」
話を終えた少女はまたしても大粒の涙を流して叫んでいる。
正直聞いているこっちも辛かった。だからか俺は、
「やってやるよ。その守護者って奴を」
少女の手を握ってそう言っていた。
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