異世界へ行くんですね?分かります。

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あれから俺は神様に連れられ、不思議な空間に連れてこられていた。 深い青色をしたその空間は、いくつもの魔方陣らしきものが浮かび、荘厳な雰囲気を醸し出していた。 「ではこれより、転生の儀に移りたいと思います。覚悟はよろしいですか?」 俺は少女の言葉に無言で頷く。 「分かりました。では転生するに当たり、いくつかの特殊能力を付与できます。自身でほしい能力を言ってください」 「なら努力した分だけ強くなれる力を」 俺は迷わずに言った。自分が望む力の形を。 「・・・本当にそれでいいのですか?確かに強力な力を手にすることは出来ますが、時間が掛かりますし、何より危険ですよ?」 神様が怪訝そうな顔をしていってくるがどれも大したことじゃない。 「構わない。努力しないで得た力なんて、どうせその力に溺れて破滅するだけだ」 それは俺の力に対する自論。 人の心、特に俺の心何てそこまで強いものじゃない。 身に余る力はやがて自らの心を腐敗させ、堕落への一歩を辿るだけだ。 普段だったらそれでも良かった。だが今の俺は守護者。そんなことは許されない。 だからこれは俺に対する戒め。力を知り、その使い道を完全に理解するまで使えないようにさせる楔のようなものだった。
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