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「ふふ、男の子ですよ」
まるで子供のような夫を愛おしく思いながらエレナは答える。
「そうかそうか。エレナちょっと抱かせてくれ」
「はい、どうぞ。あまり手荒く抱かないでくださいね」
アルベルトはエレナから赤ん坊をそっと受け取る。
自分が日ごろ扱う武器よりもはるかに軽いはずなのに、アルベルトにはとても重く感じた。
これが命の重みかなと思いながら自らの頭より高く上げる。
窓から差し込んだ光が赤ん坊に降り注ぐ。
その光景を見てアルベルトは赤ん坊がどんな宝物よりも輝いて見えた。
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