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放たれた炎は寸分違わず土人形に命中し、爆音を生じながら土人形を包み込む。
そして炎が消えるとそこにはばらばらになった黒焦げの土人形があった。
「すごっ」
思わず俺は声を漏らす。ずっと部屋に引きこもっていたため魔法を実際にお目にかかるのはこれが初めてだった。
本を読んでいたためある程度は想像していたつもりだったが実際の威力は自分の想像以上だった。
「ははっ、次は魔力の質を高めたものだよく見てろ」
俺のリアクションに気を良くしたのか父さんは上機嫌で先ほどの青い炎を別の土人形に放つ。
青い炎は先ほどの炎とは逆に土人形とぶつかると何の音も発てずに土人形を溶かしつくした。
「見たか?これが魔力の質による威力の差だ。若干分かりづらいかもしれないがな」
いえいえ、そんなこと無いです。あの炎のやばさは十分理解できました。
土を跡形も無く溶かすって一体何度ぐらいだったんだろうか。正直想像したくもない。
と魔法の危険さを実感しているところで、
「よしレム次は実際に使ってみようか」
と父さんがとんでもないことをおっしゃった。
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