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二日目、俺は鏡の前で貴族の正装を着ていた。
「これでいいだろう。レムお前は賢いし、まだ子供だから大丈夫だろうが一応礼儀には気を付けるんだぞ?」
俺の着付けをやっていてくれていた父さんが俺の頭を撫でる。
そう今日は父さんの友人五大貴族の党首と顔合わせがあるのだ。
本来はパーティーで会う予定だったのだが先方が予定よりも早く到着し、せっかくだからということでご対面ということになった。
なのでこの日に予定していた森林探索は中止になり、ちょっと不機嫌なのは内緒だ。
「まぁ、あいつは礼儀なんて気にしないかも知れないが、一応建前と周りの目もある、しっかり頼むぞ」
「大丈夫だよ父さん。任せておいて」
若干心配そうにしている父さんを励ますように笑いかける。
「そうだな。じゃあ後はあいつの子と仲良くやるんだぞ」
少し安心したような顔をした父さんは俺の手を引いて馬車に乗り込む。
中にはもう母さんとアリスがめかし込んで座っており、俺が馬車に入るのを確認すると、馬車はゆっくりと動き出し、相手方の屋敷へと向かった。
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