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「・・・でかっ」
父さんの友人の五大貴族の屋敷の前の門に到着して初めて抱いた感想がそれだった。
うちもかなり大きい筈なのにこの屋敷はそれより上を行っている。門から見える物でそうなのだ。全体を考えてみると正直こんな大きな屋敷は漫画でしかお目にかかれないだろう。
「フローライト家党首、アルベルト・フローライトだ!家族を連れてきた。門を開けてくれ!」
父さんが馬車から降り、門に向かって声を張り上げる。
すると門が父さんの声に反応するかのように重厚な音を立てながらゆっくりと開いていく。
そして完全に門が開いたと思ったところで、
「ファイヤーアロー!」
父さんに向けて一本の巨大な火の矢が放たれた。
「っ!」
俺は父さんを守ろうと慌てて障壁を張ろうとする。
しかし・・・
「ふんっ!」
俺が障壁を張ろうとする前に父さんが素手でその火の矢をかき消していた。
父さんはどれだけ化け物染みた強さを持っているんだろうか。
そんなことを考えていると、
「はっはっは!腕は落ちていないようだな。アルベルト」
真紅の外套を纏った男が門の向こうから現れた。
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