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おそらくこの男があの火の矢を放った男だろうと警戒し、いつでも障壁を張れるように構えていると、
「カイゼルじゃないか。久し振りだな!」
父さんがその男のもとにつかつかと歩み寄り、そのままぎゅっとお互いの体を抱きしめた。
「母さん、あの人誰ですか?」
男同士の抱擁など正直むさ苦し過ぎて見てられないので、母さんとアリスの方を向き、清涼感を得ながらついでに気になった事を聞いてみた。
「あの方はお父さんのお友達で五大貴族当主カイゼル・フレイム様よ」
「え?」
母さんの口からとんでもない事が話された。
「じゃあ何で友人に向かって魔法を使ってるの?下手したらしんじゃうよ?」
「あれはあの方達なりの挨拶らしいのよ。お互いの腕がなまってないかどうかチェックするのも兼ねているそうよ」
・・・俺には理解できそうも無い超体育会系の世界がそこにはあった。
ちょっと対処ミスったら死にそうになる挨拶ってどうなのよ?
「ちなみに一回学生のときにふざけて上級魔法を撃ったら死に掛けて大変だったって言ってたわね」
母さんもさすがに理解できないのか苦笑い。
俺?俺はもうとっくに呆れの領域に達していますとも。
学生の時点で上級の魔法を扱えて、それをおふざけでぶっ放した父さんたちって・・・正直無いわ
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