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「なかなか・・・やる・・・なぁ・・・レム。・・・はぁもう無理」
「もう・・・嫌だ・・・」
頭に大きなタンコブをつくったクラウドがその場に倒れる。
途中でメイさんに止められたものの、結構限界が近かったらしく相当ぐったりしている。
「それにしてもすごいですレムさん!あのクラウドさんを一方的に倒すなんて」
シャルロットが目を輝かせて感心しているものの、俺は一方的に倒すなんて事はしていない。
ただ純粋にかわすか防ぐかをしていただけなのだから。
俺は攻撃のための魔法は一切使えない、使えるのは防御系のものと若干の妨害系の物のみ。
だから一切の反撃をしなかったのだが、いや出来なかったというべきか、
それは傍から見れば圧倒的な実力差を持った人間が格下の相手をあしらっていたようにしか見えない。
だから言葉に出してはいないが尊敬の眼差しに近いものをアイナとハルトから感じる。
ぶっちゃけその目が辛い。
攻撃魔法が使えないだけだと分かったとき彼女達はどのような反応をするのだろうか。
子供の幼い期待を裏切ってしまうのが何より嫌だ。幼い頃の裏切りはその後の人格形成に何かと関わってきてしまうからだ。
だが何故か心を読んだミリアと事情を知っているアリス、そして何故かレイはそのような目を向けては来ないので、その分気が楽だったりする。
だがこれからのことを考えると少し頭が痛くなった。
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