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「そういえばレム、フレイム家の屋敷はどうだった?」
別荘へ戻る道すがら、遊び疲れたのだろう母さんの膝枕でぐっすり眠っているアリスを微笑ましそうに見ていた父さんが不意にそんなことを聞いてきた。
その答えは人見知りのアリスがすやすや寝ていることから分かっているはずだが、子供のことになると心配性なのだろう父さんを安心させるため俺はにっこりと笑って、
「とても楽しかったよ。新しい友達も出来たし」
「そうか、そうか。なら安心だな」
俺がそう答えると父さんは本当にほっとした顔で頷いていた。
「安心って何が?」
その顔がなぜか気になって俺は父さんに訳を聞いてみる。
すると父さんは少し考えるような素振りを見せるとゆっくりと話し出した。
「あぁ・・・なるほど・・・」
父さんから聞かされた話は納得できるものだった。
反王政組織リヴァイアサンがパーティーに乗り込んでくる可能性があるため、人質、足手まといになる可能性のある子供達をどこかに隠すことになったこと。
そのどこかが今回の主催者であるフレイム家の別荘に決まったこと。
その二つだった。
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