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私達は渋谷で待ち合わせをした。
先に着いた私は待ち合わせ場所で早くも後悔し始めていた。
直接会った事のない人と会う緊張感と渋谷という街に馴染めないと思う自分が居たからだ。
(やばい、早くも帰りたい…)
公務員が来るまでひたすら思っていた。
「アヤちゃん?」
「…はい。」
横から現れた男に声を掛けられ返事をした。
隣に立つ男は身長170cm弱でソフトマッチョ系。
髪型はスポーツ刈りみたいに短くて顔は丸顔。
そして、当時、猿岩石として大ブレイク中だった有吉に顔がそっくりだった。
(うっわ~…生理的にムリかも…)
有吉は平気なくせに、失礼にも公務員の第一印象はそんな感じだった。
さっそく映画館に向かう事になり、軽く話をしながら歩き出した。
「人も多いし、手繋ごうよ」
歩き出して直ぐに公務員はそう言って手を出した。
「イヤです!」
とはっきり言えない意外と小心者な私は渋々(表面上は普通に)手を繋いで歩いた。
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