水無月の空

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水無月の空

慌てず、騒がず、 迷わず、違(たが)わず 季節は変わっても   満ちてゆく 想いの嵩(かさ)は 止まってはくれない   慌てず、騒がず、 迷わず、違わず 故郷(こきょう)は優しくて   真冬の格子も 真夏の簾(すだれ)も 柔らかな 穏やかな 光を携う   小さい頃 庭先に吊るした てるてる坊主…憶えてる? しわくちゃな手で まるめて作ってくれた あなたがいた         あそこの橋まで競争だよって 小さく微笑み掛けた 暮秋の紅葉も 暮春の青葉も 嫋(たお)やかな 清らかな 光を携う   小さい頃 水切り遊びした 砂利道の音(ね)を…憶えてる? しわくちゃな手で 探して拾ってくれた あなたがいた     慌てず、騒がず、 迷わず、違わず 季節は変わっても   雨に打たれても 風によろめいても うつむかず たじろがず 前だけしっかり向いて歩いて 生きたい   小さい頃 庭先に吊るした てるてる坊主…憶えてる? 知る由もない 素知らぬ顔した そんな水無月の空
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