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  「おはよう、お母さん」   「…おはよう、あゆ」     …お母さん、寝れてないんだね。 目が真っ赤だよ。   テーブルに並べられた朝食を見ていると、目玉焼きに目がとまる。     「ねぇ、お母さん」   「なに?」     箸を手にとり、その黄身をつついてみる。 …やっぱりだ。     「半熟嫌いだってば…」   「あら…。いつもの癖ね」     お母さんは、照れ臭そうに皿をさげようとした。   私が朝ご飯を食べていると、いつもアイツが隣に座って、お母さんに焼いてもらった目玉焼きを食べていた姿を思い出す。     「……待って。…私が、食べるから」     アイツが好きだった、半熟の目玉焼き。   お母さんは私の言葉を聞くと、少し微笑んで皿をテーブルに戻した。   半熟特有のグニュっという食感。   やっぱり好きになれそうにない。   そんな事を思いながら、流し込むように目玉焼きを頬張った。 自分でも、なんでこんな事したのかわからないけど。 
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