ー1ー

4/15
前へ
/82ページ
次へ
帰るって待ってるって 約束した。離れないって。 「……っ」 思い出すと涙が溢れる。 初めて、本気で好きだと 思えた相手だった。 キスも他のすべても 私は彼色に染まっていた。 「…おい、何してんの。」 誰かが私の前に立っていた。 雰囲気だけで伝わる。 それは、いつも 私のそばにいるもの。 「永貴(えいき)…。」 「情けない顔。不細工。」 その顔を見た瞬間に 私の瞳からはブワッと 涙が溢れ出てきた。 「…彼に、会いたいよ。」 何も言わない永貴は知ってる。 私が失恋したことも、 私の気持ちも。 「はぁ…お前って本当に昔から恋愛体質だよな。」 「違うもん!!こんな気持ち初めてだもん!!」
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加