ー1ー

5/15
前へ
/82ページ
次へ
永貴は私の腕を掴み 立たせて、顔を覗き込む。 身長の差が彼に それをさせていた。 「…本当、不細工。」 「何回も言わないで」 冷たい目で見てくる永貴。 でも、玲嘩はその目とは 裏腹に安堵を覚える。 「…彼に、会いたい。」 涙目で永貴を見た。 彼の瞳は一瞬揺らぎ、 ため息へと変わった。 「お前がこんなに粘るの初めてだよな。いいよ。応援するから。行こう。俺が会わせてやるから。」 クルッと方向をかえると 彼は歩きだした。 私はそれをひよこのように ついていく。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加