宵の夢

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それをみとめた政宗はニヤリと不遜な笑みを浮かべた。 上段からの構えを見せた政宗、しかしそれは相手の構えを誘う囮であった。 政宗は急激に高度を落とすと思い切り地を蹴り飛び上がると、守りの構えで空いた脇へと鋭い竜の爪を食い込ませた。 爪は深々と相手の脇腹をえぐり、致命的な傷を与えた。 政宗が再び地に足をつけると同時に後方でドシャリとぬかるんだ地面に倒れた音が厭に大きく響いた気がした。 「Rest in peace・・・成仏しなよ。」 くるりと踵を返し、倒れた相手へと振り返ると改めてその相手の顔を見た。 いや、見ようと思って見たのではない。 ふと顔を上げた瞬間に視界に入ったのだ。 そして見たその顔は・・・ 政宗自身のよく知った顔であった。 竜の右目と称されるほど自分に寄り添うようにいつも側にいた・・・ 片倉小十郎、彼に相違なかった。
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