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政宗の顔を撫でていた手は傷口から溢れた血のせいか、真っ赤に染まり政宗の頬まで赤く染めていた。
「政宗・・・さ、ま・・・。」
それだけ囁くようにいうと小十郎の手はずるりと再び地に落ち、虚ろだった目は薄い瞼に塞がれた。
「小十郎?・・・小十郎!!小十郎!!!!!」
握り締めた左手を更に強く握り、政宗は小十郎の肩を揺すった。
「小十郎!!小十郎!!小じゅろ・・・!」
いくら揺すっても小十郎の瞼が再び開く気配はなかった。
辺りには冷たい雨と小十郎から流れ出したかつては温かかった血、そして政宗の悲痛な叫びだけが響いていた。
「小十郎ーーー!!!!!」
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