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「ハッ・・・!ハッ・・・!」
政宗はカッと目を見開くと同時に布団を跳ね退け、上体を起こして浅く荒い息に肩を震わせた。
「ハッ・・・ハッ・・・ゆ、め?」
震える肩を自分の手で抱きしめるようにギュッと抱え込んだ。
今だに震える肩と煩いくらいに早鐘を打つ心臓が政宗の手をも震わせた。
しばししてから震える右手を肩から外し、じっとその掌を見つめた。
夢の中の事のはずが、今だに肉を裂く感触がその掌に残っている気がして政宗は爪が食い込むほど強く手を握り締めた。
「くっぅ・・・!」
痛くはない、痛いのはその手に残る肉を裂いた感触であった。
その手を胸に引き寄せると、政宗はそのまま小さく小さくうずくまった。
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