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「ふぅ、美味かった」
スイカを食べ終わった僕はべとべとになった手を濡れタオルで拭う。
ついでに口を拭こうとした時、美月がふと顔を寄せてーー………………。
ペロッ
こいつ舐めやがったぞオイ。
美月に舐められた口の端を押さえポカンとしてる僕を見て悪戯っ子の様に美月は笑った。
「うあ~やっぱり美味しくないね」
「お前なぁ…」
気を取り直して口元をタオルで拭く。
「ちょっとぉ!何拭いてんのよ?」
いや、違うから。
美月に舐められたとかじゃなくて、まだ汚れてるから拭いただけだから。
本当めんどくさい奴…。
僕は美月の頬に手を添えるとそっと顔を近づけた。
チュ…。
そっと重なった唇。
それだけじゃ、足りなくて。
「んぅ…」
今度は深く口づけた。
17歳だった僕らは互いに互いを愛していた。
好きで好きでしょうがなかった。
美月をただ愛してた。
そう。僕らはただ愛しあっただけなのだ。
だけどそれが、
禁じられた愛し方だったのも僕らは知っていたんだよ。
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