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「……他の先輩方には言わないでいただきたいです」
「大丈夫、言わないよ」
匡先輩はにこりと微笑んで、そう言いました。
その笑顔に何の根拠もないんですが、何故か信用してしまいます。
まぁ、匡先輩は人として素晴らしい方なので、当然といえば当然なのかもしれませんが。
「ありがとうございます。それに、勉強も教えてもらいましたし、何かお礼させて下さい。私に出来ることなら、何でもしますよ」
私に出来ることなんて少ないですけど。
多分、私に気を遣って、先輩は少し考えこんでいるようです。
「うーん……じゃあ、僕の質問に答えてくれる?」
これは予想外の頼みごとです。
「構いませんけど、そんなことでいいんですか?」
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