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朝食を終えて寝室に戻り、僕はジーンズとシャツに着替えた。 脱いだパジャマは丁寧に畳んでベッドの上に置いておいた。 いつもそうしているのだ。 僕のパジャマの隣には夏子の薄いピンク色のパジャマが畳んで置いてあった。 僕はリビングに戻って再びソファに腰を下ろした。 それからテレビの電源を入れて、チャンネルを変えた。 朝は特に面白い番組はやっていない。 特別に見たい番組があったわけではないので何でも良かったのだけれど、とりあえずニュースをかけておくことにした。 何を考えるでもなく、ぼんやりとテレビを眺めていると、朝食の後片付けを終えた夏子がリビングに戻ってきて、僕の隣に腰を下ろした。 それから、彼女は静かに僕にもたれ掛かってきた。 「どうしたんだい? 今日はずいぶん甘えるんだね」 僕は夏子の髪をそっと撫でながら言った。 「別にそんなこともないわよ。ただ、何となくね……」 夏子はそう言って、小さく笑った。
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