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夏子は少しだけ間を置いて、言葉を続けた。 「何て言ったらいいのかわからないけれど、今まであなたが作ってきたどんな曲よりも、この曲は私の心にストレートに響いてきたの。あなたの思いみたいなものが、私の心に強く呼びかけてきたわ。そしてそれは私の心と共鳴して、一体となって私の中で鳴り響いていたの。だからこの曲はきっと私のために作ってくれたのだろうと思ったのよ」 「そうか。それが伝わって、僕は嬉しいよ」 僕は正直に言った。 「ねえ、この曲にタイトルはあるの?」 「一応、考えているタイトルはあるよ」 「どういうタイトル?」 「いくつか候補はあるけれど、僕が一番気に入っているのは『夏のバラード』というタイトルだよ」 「いいタイトルね。私も気に入ったわ。ありがとう」 「どういたしまして」 僕はそう言って、椅子から降りて立ち上がった。
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