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空を二羽の鳥が横切った。
彼らはゆったりとしたスピードで、その青の中を進んでいった。
下から見ている僕には、それはただの黒い塊にしか見えない。
だけど僕はそれを飛行機でも気球でもなく鳥なのだと判断したのだ。
だけど、それが鳥である確証なんてどこにもありはしない。
僕は実際にそれに触れてみているわけでもないし、すぐそばに行って見ているわけでもない。
僕は『何となく』がぎっしりと詰まった頭の中で、『何となく』をいくつも組み合わせて、そして何となくそれを鳥であると判断しているにすぎないのだ。
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