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一匹の年老いたオスの黒猫(名前はネグロという。スペイン語で「黒」という意味だ。ずっと以前に、彼がまだ人間と共に生活していた頃に使っていた名前だ。彼は今でも便宜的にその名前を使っていた)がミケに近寄ってきて言った。 「よう、ミケ。ずいぶん気持ちがよさそうだな」 「ああ、今日は空がどこまでも青いからね。いい陽気だ。昼寝をするにはちょうどいい」 「そうか、それは良いことだ」 ネグロはそう言うと、右の前足の先の方をペロペロと舐めて、顔を洗った。
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