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ミケはとある住宅街の中にある、誰からも忘れ去られたような小さな空き地で生まれた。
ミケの父も母も野良猫であって、飼い猫ではなかった。
少なくとも父は純粋な野良猫であったらしいが、ミケはその姿を見たことがない。
ミケの母は、以前、人間の家で飼われていたのだと言っていた。
生まれてから三年間、人間の家で生活したのだ。
だけど、引越先のマンションでは猫を飼えないという理由で、ミケの母はその人間達に捨てられたのだ。
ミケの母はその後、空地に住み着いた。
少なくとも住宅街の中にいる限り、食べ物に苦労することはなかった。
週に二度ほどは、各家庭からゴミが出される。
それらは人間にとってはもはや食べることのできないゴミなのではあるが、猫達にとってはまだ十分に食べることのできるものが含まれていることが多かった。
ミケの母は、そうやって生活を続けていた。
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