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僕はうんざりしていた。 僕もこれまでに、何度もファミリー・レストランに入ったことがある。 わざわざ言われなくとも、水がセルフサービスであることくらいは知っているし、呼び出しボタンを押せば店員がとんで来ることも知っている。 おそらく、説明をしているウェイトレス自身、僕がそれを知っているということを知っているに違いない。 だけど彼女はそれをしなければならないのだ。 なぜならば、彼女はいま、マニュアル通りに動く人間という名のロボットなのだからだ。 ウェイトレスは一通りの説明を終えると、元いた位置に戻って行った。
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