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しばらく撫でていると、ミケは再び僕にそっぽを向いて、横になった。
猫なんて勝手なものだなと僕は思った。
本当に猫という生き物は自分勝手な生き物だ。
自分の生きたい通りに彼女達は生きるのだ。
彼女達は眠くなれば寝るし、お腹が空けば食べる(少なくとも人間の近くにいる猫たちは食事には苦労しないようだ)。
やりたいことはやるし、やりたくないことはやらない。
実に気の向くままに生きている。
人間から見れば、本当に自分勝手な生き方に見えるし、実際にそんな生き方をしている人間を見ると、人は非難を投げかけるに違いない。
だけど、もしかしたら彼女達の生き方のほうが本当は正しいのではないだろうかという気がする。
おそらく、人間は自分自身が自分自身に課した、あまりにも多くの足枷のせいで、そんな生き方ができなくなっているだけなのだ。
僕は猫になりたいと思った。
そして、彼女達のような生き方がしたいと思った。
だけど、そんなことはどうあっても無理なのだ。
人間である僕が猫になれる可能性なんて、世界中のどんな場所を探したとしてもありはしないのだし、僕が人間である以上、人間としての生き方しかできないのだ。
僕には猫として生まれてきた彼女達が羨ましく思えた。
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