1107人が本棚に入れています
本棚に追加
/371ページ
僕はウェイトレスが去って行った後、水を汲みに行った。
コップの山から二つとりだして、それに水を注ぎ、こぼさないように注意深く、ゆっくりと席まで運んだ。
夏子の前にそっとコップを差し出すと、彼女は「ありがとう」と礼を言った。
彼女は相談を切り出そうかどうか迷っているように見えた。
たぶん、誰かが後からポンと後押しすれば、彼女はそれを迷わず話し出すのだろうが、そのきっかけがつかめていないようだった。
だから、僕がその後押しをすることにした。
「ところで、相談というのは何だい？」
僕は言った。
最初のコメントを投稿しよう！