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やがて、ホテルの入口らしき細い坂道が、左手の林の中に姿を現した。 その坂道はどこか陰気な雰囲気を漂わせている。 陽が沈みかけ、辺りが薄暗くなっているせいもあって、気味の悪さが一層増して感じられた。 だけど、夏子は迷うことなくウィンカーをあげると、その坂道に車を進めた。 「どこに行く気だい?」 僕は慌てて尋ねた。 だけど、夏子は何も答えなかった。 まるで僕の声など聞こえていないかのように、黙ったまま車を進めた。
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