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夏子は迷うことなく坂道を登りきると、ホテルの駐車場に車を入れて、停車した。
薄暗い、地下の駐車場だ。
どことなく湿気が漂っている。
天井につけてある電灯のいくつかは、電球が切れかかっているのか、ときどきチカチカと点滅していた。
夏子はエンジンを切って、それからゆっくりとシートベルトを外した。
彼女は決して僕の方に視線を向けなかった。
まるで、何か悪いことでもしてしまった子供のように、彼女は決して僕の方に視線を向けなかった。
だけど、彼女の横顔から覗う目からは、強い決心のようなものが感じ取れた。
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