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美奈はしばらく不思議そうな顔をして僕を見つめてから、「何かあったの?」と言った。
「どうして?」
僕は訊き返した。
「何となくなんだけど、明がすっきりしたような顔をしているように見えたから。何ていうんだろう、憑物が落ちたような、そんな感じの顔をしてる」
美奈は小さく笑いながら言った。
「そうかもしれない」
僕は答えて、二口目の煙を吸い込む。
「ねえ、カーテンを開けてもいいかな?」
美奈は立ち上がりながら言った。
僕は黙って頷いた。
それから、「今日は晴れているかい?」と訊いた。
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