1110人が本棚に入れています
本棚に追加
美奈は頷いてから、「とてもいい天気よ」と言った。
それから勢いよく、カーテンを開けた。
部屋の中に眩いほどの太陽の光が一気に射し込んでくる。
僕はゆっくりと窓の方に視線を向けた。
ビルとビルの間に少しだけ青い空が見える。
僕は思わず立ち上がり、窓に近づく。
そして窓から空を見上げる。
そこに広がっている空は、僕が幼い頃に見た、あの濃く深い青をしていた。
僕はじっと空を見つめる。
まだ何事にも捉われず、自由に飛びまわっていた幼い頃の自分と、その日々を思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!