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曲が終わったところで美奈が言った。 「ねえ、この曲、私にも弾くことができるかな?」 「できるよ。簡単な曲だからね。これから僕はこの曲の楽譜を書くから、できあがったら君にもあげるよ」 「ありがとう。邪魔しちゃ悪いから、今日は帰るね」 美奈はそう言うと、鞄を肩にかけて立ち上がった。 「邪魔ではないよ。ここにいてもいい」 「ううん、ちょっと用事もあるのよ」 「そうか」 「じゃあ、できあがったら私にも教えてね」 美奈はそう言って笑うと、部屋を出て行った。
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